元従業員からパワハラを主張されたが会社の全面勝訴判決が確定した事例

企業概要

物流及び製造業

従業員 約190名

お問い合わせの経緯

会社を退職した元従業員から、在職中に、上­司からパワーハラスメントや違法な配転命令を受け、退職せざるを得なかったとの損害賠償請求訴訟が提起され、当事務所に対応を依頼されました。

相談内容

従業員に別部署への配転を命じたところ、体調を理由に配転命令撤回の要望がありました。

しかし、配転先の業務内容は配転前と特に変わらないことから、その旨を説明し、配転命令は撤回しないと当該従業員に伝えました。

そうしたところ、従業員は翌日に退職届を提出して退職しました。

その後、退職した元従業員から、上司からのパワーハラスメントや、持病への配慮がない配転、退職強要をされたとして損害賠償請求訴訟が提起されました。

訴訟においては、配転命令撤回を求めた際の、従業員と上司との会話の録音データが提出され、従業員が上司との会話を録音していたことがわかりました。

その会話の中では、一部分だけを取り上げると、上司からやや穏当さを欠く発言もなされており、パワーハラスメントへの該当性が問題になりました。

弁護士の対応

弁護士は会社関係者からヒアリングを行い、配転前後の業務の内容、パワーハラスメントに当たると主張された言動の背景などについて事実確認を行いました。

そして、業務内容の対照表の作成、複数の関係者の陳述書の作成、録音された会話内容の詳細な分析と説明などを行い、配転命令の妥当性や、上司の言動が、過去の裁判例に照らしても、パワーハラスメントには当たらないことを丁寧に主張、立証しました。

その結果、第一審では会社の主張がすべて認められ、元従業員は控訴しましたが、控訴審でも控訴は棄却され会社の全面勝訴判決が確定しました。

弁護士の所感

パワハラ防止法施行の影響もあり、近時、労働者側からパワーハラスメントの主張がなされることが増えてきました。

しかし、企業側も労働者側も、必ずしも、何が「パワーハラスメント」に当たるのかという正確な理解ができておらず、やや混乱を生じているように感じます。

なかには、正当な業務命令や注意・指導に対してまで、労働者側からパワーハラスメントの主張がなされるケースもあり、本件もその一例といえます。

企業による業務命令や注意・指導は、企業の組織を維持し、事業を行うために不可欠であり、「パワーハラスメント」についての正確な理解のもと、労働者側からの不当な主張には、毅然とした対応を行うことが重要です。

労働者からのパワーハラスメントの主張に疑問を感じた場合は、安易な妥協はせず、まずは当事務所にご相談ください。

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藤本 尊載

藤本 尊載

玉藻総合法律事務所代表弁護士。企業側の弁護士として多数の顧問先を持つ。労務問題をはじめとした企業の法的トラブルに精通。他士業に向けたセミナー講師も務める。

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