会社にとってのクレーム対応の必要性とは?【弁護士が詳しく解説】
「顧客から過大な要求があり、対応に困っている。」
「問題のある患者からのクレームへの対応について、応召義務との関係で悩んでいる。」
「問題をインターネットで拡散すると言われており、心配だ。」
「自社のミスに端を発したクレームではあるが、どこまで対応する必要があるのかわからない。」
「顧客のクレームにも一理あるが、どのような点に気を付けて対応すればよいか相談したい。」
「顧客と直接対応する営業社員が勝手に責任を認めたりしないよう、クレーム対応の研修をしたい。」
Contents
1 クレーム対応の重要性
近時、消費者の権利意識の高まりや、医師など専門職に対する意識の変化により、消費者や患者からのクレームは増加しています。
そして、SNSや口コミサイトの普及により、消費者や患者が、不満の内容を投稿したり、誹謗中傷を行うリスクも増えています。
さらに、クレーム対応には多くの時間や労力を要し、直接対応するスタッフには大きな負担やストレスをかけることになります。
そこで、誹謗中傷リスクが高いと思われるケースや、スタッフに過度の負担が生じているようなケースでは、弁護士による助言を受けたり、対応の委任を検討したりすべきです。
2 クレーム対応の難しさ
クレーム対応の難しさは、ごく極端な場合を除き、事業者や医師側にも一定の落ち度があったり、消費者や患者がそのように思い込んでいるところにあります。
すなわち、明らかに不当な要求であれば、毅然とした対応をとれば良いです。
他方で、事業者や医師側にも一定の落ち度がある場合には無下にもできませんし、かといって、要求に全て応えなければならないわけではありません。
ところが、消費者や患者の側には自身の要求の妥当性を判断する十分な法的知識がないために、自覚なく不当な要求を行う場合があります。
また、事業者や医師側でも、やはり十分な法的知識がないために、対応に苦慮し、不当な要求に応えてしまう場合もあります。
不当な要求に応じることは、一時的な解決にはなるかもしれませんが、再度の不当な要求や、他の者からの不当な要求を誘発する恐れもあります。
3 クレーム対応のポイント
(1)傾聴と説明
まずは、クレームの内容をしっかりと聞き、誠意をもって説明を行い、理解を求めるべきことは当然と言えます。近時の社会情勢においては、まずはこのようなプロセスを踏まなければ、主張の当否に関わらず、インターネット等による誹謗中傷のリスクが高まります。
(2)理解が得られない場合の対応方針の決定
多くのクレームは、誠意を持って説明すれば理解を得られます。
しかし、それでも理解を得られない場合には、クレーム内容が法的に妥当なのか、事業者としてどこまで対応する義務があるのかを明確にした上で、対応方針を決定します。
この段階で、是非、弁護士にご相談ください。
(3)法的観点を踏まえた交渉
傾聴と説明のプロセスを経ても理解が得られない場合、「法的にはこうなる。」という説明を行う必要があります。
この段階では、消費者が聞く耳を持たず交渉の進展が期待できない場合や、暴言を吐くなどスタッフの負担が過大な場合などには、「適切な対応を行うために」弁護士を選任することが望ましいと言えます。
4 クレーム対応を弁護士に依頼すべき理由
上記の傾聴と説明の段階では、事業者や医師ご自身で真摯に話を聞き、説明を行うことが望ましいといえます。
そして、それでも理解が得られない場合の対応方針の決定の段階では、少なくとも弁護士の助言を得るべきです。
一度過大な提案などをしてしまうと、後の交渉が困難になる場合がありますし、自信を持って交渉を進めるためにも、法的な帰結は理解した上で方針を決定すべきでしょう。
また、交渉を弁護士に委任することも、随時弁護士にご相談をいただきながら交渉はご自身で進めていただくことも可能です。
未だ一般的には、弁護士を選任するということは、紛争状態に入ることを前提としているものと勘違いされる向きもあります。
しかし、クレーム対応を弁護士に委任することは、消費者や患者の主張の当否や、事業者や医師側の責任の有無及び範囲について、第三者であり法律の専門家である弁護士の見解を求め、「適切な対応を行うために」するものであり、決して、紛争状態に入ることを前提としているわけではありません。
弁護士を選任することで、認めるべき点は認めてしかるべき責任をとり、拒否すべき点はしかるべき説明を行い、拒否をすべきです。
当事務所は、大手損害保険会社の顧問弁護士を務めるなど、クレーム対応において多くの経験と実績を有しております。
クレーム対応について弁護士にご相談されることで、スタッフの負荷を軽減し、早期かつ適切な結果を得られる場合があります。
また、日々、消費者や患者と接するスタッフに対する研修を行うことも可能です。
お気軽にご相談ください。
藤本 尊載
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