不当な金額で建物明渡等請求をされた飲食店に、弁護士が対応し納得できる立ち退き料を得た事例
企業概要
飲食業 10~20名
お問い合わせの経緯
店舗を賃借して,飲食店を営んでいる事業者からのご依頼でした。
店舗を借りて一年も経たない間に,オーナーが変わり,その2か月後に,土地再開発のため店舗を明け渡すように要求されました。
ご相談内容
依頼者にとっては,店舗の賃借期間もまだ数年残っており,旧賃貸人との契約更新も予定されており,これからその店舗を拠点として事業拡大を計画し,新規事業のため資金調達や設備投資等を行っていた矢先のことでした。
依頼者としては,そのまま店舗で営業を続けたいと考えていましたが,相手方から立退料を払う代わりに明け渡しを迫られ,納得できないとして当事務所に相談に来られました。
弁護士の対応
賃貸借契約の解約には,解約申し入れの時点で正当事由が必要ですが,それまでの経緯から,当事務所の弁護士は,相手方の言い分には正当事由が無いと判断し,依頼者の代理人として示談交渉を行いました。相手方代理人からは,立退料を払うから土地再開発のために明渡をしてほしいと請求を受け,さらに立退料が提示されましたが,その店舗で営業継続を期待し,新規事業のために調達・投資までした依頼者には到底納得できない金額でした。
それからほどなくして相手方が訴訟を提起したため,当事務所の弁護士が依頼者の訴訟代理人として訴訟に対応しました。
訴訟の中で,当事務所の弁護士は,立退料の提供があっても賃貸借契約解除の正当事由は認められないことを一貫して主張し,もし依頼者に店舗明け渡しを要求するのであれば,本件賃貸借契約を解約する正当事由の主張立証をするよう相手方に求めました。
一方,相手方は,この土地を再開発する大義があり,立退料についての正当性や妥当性等を主張しましたが,賃貸借契約解約の正当事由の主張立証は十分ではありませんでした。
やがて,早期の解決を望む相手方から,依頼者が納得できる立退料増額の提案があり,裁判上の和解が成立しました。
弁護士の所感
明渡を急ぐ原告側は,とにかく早く裁判手続きを進めようと裁判所や当方に働きかけましたが,当方からは,複数の文献,裁判例などを証拠として提出するとともに,原告側の立証が十分でないことを主張することで裁判所の理解を得ることができ,裁判所が慎重に審理を進める姿勢になったことが,有利な解決案を引き出す要因になったと考えます。
土地の再開発などを理由に立ち退きを求められた場合でも,常に応じなければならないわけではありません。また,立ち退きに応じる場合でも,立退料の交渉は可能です。
他方,建物の建て替え,土地の有効活用等のために立ち退き交渉を考えておられるビルオーナーの立場からは,事業を円滑に進めるためには計画的かつ慎重な交渉が必要です。交渉方法を誤り,一度関係が崩れてしまうと解決は困難になります。当事務所ではオーナー側からのご相談もお受けしております。
ビル賃貸借ついてお悩みの方は,是非,当事務所にご相談ください。
藤本 尊載
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