債権回収の方法
一般的な債権回収の方法についてご説明いたします。
Contents
弁護士が代理人となって債務者に対して催促をする
貴社から何度も請求しているにもかかわらず、支払いがなされない場合に、弁護士が代理人となって催促をすることが可能です。弁護士が代理人として交渉にあたることで、相手方(債務者)の対応が変わり交渉がスムーズに進む可能性があります。相手方に、こちらの本案件に対する姿勢・本気度を伝え、法的手続きも辞さないという態度を示すことで、相手方に誠実な対応を迫ることができます。
弁護士名で内容証明郵便を送る
これも上記同様、弁護士名で催促をすることにより、相手方が支払いに応じる可能性を高めることができます。内容証明郵便には、「期限内に支払わなければ法的処置を講じる」ことを明記いたします。(「このまま放置をしてしまうと訴訟に発展してしまうのか・・・・」と相手が思うケースが多く、「支払わないといけない」と自覚してもらうことができます。そんなに強い表現は困る・・・・と思われる方もおられるかと思います。そのような場合には、相手との関係性を吟味した上で、内容証明郵便の表現は変更致しますのでご安心下さい。
保全手続
将来、相手方(債務者)が支払不能もしくは困難となる蓋然性が高い場合には、権利実現のため、債務者の所有する財産や権利を仮に差押えることも可能です。
相手方が支払いに応じない場合、最終的には訴訟(裁判)によることになりますが、判決が出るまでには相当の時間を要するため、その間に財産を処分・隠匿されてしまうおそれがあります。また、他の債権者が債務者の財産を差し押さえて、先に債権回収するという事態も考えられます。そのような場合には、苦労して勝訴判決を得ても、相手に財産がないため強制執行ができず、結局、債権の回収が不可能もしくは非常に困難となってしまうという場合もあり得ます。ただし、保全手続を行うにあたっては、一定額の担保を要することから、事案ごとに検討することになります。
支払督促手続
支払督促を裁判所に申し立てれば、書類審査のみで、裁判所から相手方に支払督促を発布してもらえます。裁判所への手数料も通常の訴訟手続の半額であるため、簡易で有効な方法ですが、弱点もあります。まず、①相手方の住所地ないし事務所所在地の簡易裁判所書記官に申し立てる必要があり、相手方の住所が判明していない場合には利用できません。また、②相手方が支払督促に対して異議を申し立てた場合には、通常の訴訟手続に移行してしまいます。ですので、相手方から異議が出ることが予想される場合や、相手方の住所地が遠方で、貴社と裁判所の管轄が異なる場合には、注意が必要です。
民事調停手続き
民事調停は裁判所における調停を行い、話し合いによって、相手方に任意の支払いを求める方法です。相手が長年の取引先であったり、今後も取引を行う可能性がある場合の他、今後の付き合いが避けられないような場合には、いきなり訴訟(裁判)というのは少し躊躇してしまうことがあるかもしれません。このような場合には、弁護士に民事調停を依頼することで、話し合いによる解決を図ることができます。調停は、申立手続きが比較的簡単ですので、弁護士を利用せずに調停を申し立てることも可能ですが、相手方が出頭しなかったり、不当な引き伸ばしをしてきたり、結果的に調停の場で合意できなかったりする場合もございます。弁護士が介入することによって、訴訟を見据えて行動していることが相手に伝わりますので、「出頭しなければならない」、「支払わなければいけない」と誠実な対応を迫ることができます。
少額訴訟手続
60万円以下の金銭の支払を求めることができる特別な訴訟手続です。原則として審理を1回のみで終わらせ判決が出ます。審理が1回で終わることが前提となっていますので、債権の存在を立証する資料はきちんと準備する必要がありますし、双方の主張・立証が複雑になる事案には適しません。また、少額訴訟も、相手方が通常の訴訟手続への移行を求めた場合には、通常の訴訟手続へ移行されることになるので、注意が必要です。
訴訟手続(通常訴訟手続)
訴訟手続を取り、債権・売掛金を回収する方法です。訴訟手続においても裁判所の仲介の上、裁判上の和解交渉を行う場合もあります。当事者が和解を希望しない場合や、和解を希望するも話がまとまらない場合には、和解交渉は打ち切られ、裁判所による判決になります。
相手方の住所が判明しない場合などは、公示送達により判決を取得することが可能です。(判決に相手が応じないことが予想される場合でも、次の強制執行手続の前提として、先に判決を取得しておくことが重要です。)
強制執行手続
訴訟手続による確定判決や和解調書、支払督促手続による仮執行宣言付支払督促、調停手続による調停調書などを取得しても、相手方が支払いに応じない場合には、強制執行の手続をとることになります。
具体的には、相手方所有の不動産(自宅の土地建物、社屋など)、相手方の債権(銀行預金、売掛金など)、相手方の動産(会社に飾られれている美術品など)を差し押さえ、競売を行ったり、相手方に代わって債権を回収したりすることができます。
債権回収についてのお悩みがありましたら、まずは、弁護士にご相談ください。
費用対効果や、回収成功の見込みなどから判断し、弁護士にご依頼いただくべき案件についてはお手伝いが可能ですし、貴社ご自身でご対応いただく方がよい場合には、回収方法について具体的にアドバイスさせていただきます。
まずはお気軽に当事務所へご相談下さい。
藤本 尊載
最新記事 by 藤本 尊載 (全て見る)
- 11月26日(火)営業時間変更のお知らせ - 11月 18, 2024
- 【社会保険労務士様向け】『業務委託契約書 徹底解説』セミナーを開催しました - 11月 7, 2024
- 【企業経営者様向け】『問題社員対応3つのポイント-第2回解雇-』セミナー開催のお知らせ - 10月 30, 2024