弁護士による契約書審査
Contents
契約書を弁護士がチェックするポイント
「契約書に調印するように求められているが、内容がよくわからない」
「事前に約束していた内容と違う条件の契約を申し込まれている」
「明らかに不利な条件で契約をしてしまったが、条件の修正はできないのか」
契約書は一度調印してしまうと、その有利不利に関わらず、その内容(文章)に拘束されますので、その内容や影響をよく理解した上で調印することが大切です。
標準的なひな形を使っているからたぶん大丈夫だろう、どうせ読んでもよくわからないなどと、十分に内容を理解しないままに契約を締結してしまうと、思わぬ不利な状況に置かれる可能性があります。
なぜ契約書が必要なのか?
契約書のチェックや作成を行う場合、まずは、予定される取引の流れを把握し、そのなかで生じうる問題点の洗い出しを行う必要があります。
例えば、契約締結後、当事者は何をする義務を負うのか、すなわち、どのような物やサービスに対して、いくら支払うのかということが明確にされていないと、支払額に見合う物やサービスを得られなかったり、逆に物やサービスに見合う支払を得られなかったりし、トラブルに発展することがあります。
また、契約は原則として口頭の合意でも有効であり、契約書の作成は必須ではありません。
しかし、契約書を作成することで、契約内容を明確にし、その内容で合意をしたことの証拠を残すことで、円滑な取引を実現し、トラブルを防ぐことが可能になります。
必要な事項を漏れなく定める。
契約書が、契約内容を明確にしてトラブルを回避するために作成されるものである以上、当該契約の内容が漏れなく契約書に反映されていなければなりません。
また、約束した物やサービスの提供が遅れた場合に誰がどのような責任を負うのか、不可抗力の場合はどうするか、不完全な提供の場合にはどうするかなど、個別の契約ごとに緻密な検討を行い、契約違反や不可抗力による債務不履行などのトラブルが発生した場合の当事者の責任、損害賠償の範囲などについても定めておくことが必要です。
なかには、信頼関係で仕事をしており、ほとんどトラブルにはならないし、トラブルが起こっても話し合いで解決するから大丈夫とおっしゃる方もいらっしゃいます。確かに、ほとんどの場合、トラブルが起こることはないでしょう。また、トラブルが起こってもどちらかが折れれば済む程度の損失であれば、話し合いで解決できる場合も多いでしょう。
しかし、トラブルの内容や損失の額によっては、話し合いによる解決が難しいことも当然ありうるのであり、その場合、解決は契約書の内容によって行われます。
このようなトラブル発生時にも、契約書があれば双方が納得したうえでの処理を進めることができます。
解釈の相違が生じないように内容を明確化する。
また、条項の作成に当たっては、双方の認識に相違が生じないように、可能な限り明確な表現を用いる必要があります。
せっかく契約書を作成しても、契約書の内容が不明確では、契約内容は明確になりませんし、トラブルの解決にも役に立ちません。
強行規定、判例法理に違反していないか。
契約の内容は、原則として当事者が自由に決めることができます。
ですから、法律で定められている責任を一部免除したり、逆に重くすることも原則として可能です。
しかし、法律には、当事者の意思によって排除できる任意規定と、当事者の意思によっても排除することができない強行規定とがあり、強行規定に反する合意は無効です。
また、法律には定めが無くても、判例法理によって、合意が無効になる場合もあります。
合意が無効になると、その部分については、当事者間に合意が無いことになってしまいますので、契約書作成やチェックにおいては、強行規定や判例法理を踏まえた検討が必要です。
最新の法律の規制を踏まえた内容になっているか。
法律は随時改正されており、以前に作った契約書をそのまま使用していると、最新の法律の規制に対応できない可能性があります。
たとえば、2020年4月に施行された民法改正により、極度額(上限額)の定めがない根保証契約は無効になり、せっかく連帯保証人をつけていても保証人への請求ができません。
そのような事態を避けるためにも、その契約がどのような法律の規制を受けるのか、また最新の規制の内容はどうなっているのかを理解しておくことが重要です。
有効性に疑問を持たれない体裁をもっているか。
契約は、権原を持った者が真意に基づいて合意して初めて効力を持ちます。
そのため、交渉の相手方が正式な権原を持っているか、契約書の記名押印が誰の名義になっているか、また、どのような印が押されているかなどについても確認する必要があります。
後に、契約の存在や合意内容を争われた場合に、契約書が真正に成立したものであることが立証できる体裁を持ったものでなければなりません。
契約書に関するトラブル
契約書の内容を理解していないことによるトラブル
新たな契約を締結する場合だけでなく、残念ながら、自社が使用している標準の契約書の内容すら十分に理解されていない場合もみられます。
紛争や契約トラブルが起こってから、契約書を読み直しているようでは、有利で迅速な解決は不可能です。
相手方から提示された契約書はもちろん、自社が使用している契約書についても、今一度内容を精査する必要があります。
契約書が想定していない事態によるトラブル
契約締結時の事前検討が不十分な場合や、ひな形をそのまま使用した場合によく起こるトラブルです。
トラブルが起こった際に、契約書を確認しても該当する条項がなかったり、条項はあるもののそのまま適用すると不合理な結論になる場合があります。
そのような場合、不当に不利な解決を強いられたり、一からの話し合いが必要になり、紛争が長期化する恐れがあります。
契約書の内容が不明確であることによるトラブル
契約締結時の事前検討が不十分な場合や、ひな形をそのまま使用した場合によく起こるトラブルです。
「賃貸借契約書」、「金銭消費貸借契約書」、「売買契約書」、「秘密保持契約書」など、代表的な契約書の場合、書式集やひな形も多いため、それらを利用する方も多いでしょう。
しかし、これらはあくまでもひな形であり、完全な契約書ではありません。また、消費者寄りのものもあれば、事業者寄りのものもあります。
また、何より、冒頭で述べたような、貴社の取引から生じうる問題点を網羅したものではなく、トラブルの場合の解決方法が示されていなかったり、貴社にとって不利益な内容である可能性もあります。
ひな形はトラブルが発生した場合に、どのように解決されるのか、必ずしも明確ではなく、当事者間の認識の相違によって、紛争解決基準として機能しない場合があるため注意が必要です。
契約無効によるトラブル
契約の内容が、強行規定や判例法理に違反して無効になる場合、想定していたのとは全く違う結論を強いられたり、契約の有効性を巡って紛争が発生する可能性があります。
当事務所が扱う主な契約書と弁護士に相談するメリット
当事務所の取扱
当事務所は、建設、不動産、運送、倉庫業、食品製造・販売、環境エネルギー事業、飲食業、出版、イベント企画、社会福祉法人、医療法人、税理士法人、社労士法人、損害保険会社など、幅広い業種の顧問弁護士を務めており、
各業種における、売買契約書、賃貸借契約書、雇用契約書、請負契約書、業務委託契約書、秘密保持契約書など、様々な契約書の作成、審査を手掛けております。
弁護士に契約書の作成、審査をご依頼、ご相談いただくことにより、貴社のビジネスを円滑化し、トラブルを回避し、トラブル発生時にも有利迅速な解決を図ることが可能になります。
未だトラブルが発生していな段階での法務コストに抵抗を感じられるかもしれませんが、ひとたびトラブルが発生すると、対応に追われて本業に専念する時間を奪われ、取引機会の喪失、多額の賠償負担など、多大な損失を被るリスクがあります。
会社を強くし、コンプライアンス経営を実現するためにも、弁護士への相談をお勧めします。
弁護士に契約書作成を依頼するメリット
弁護士に契約書の作成を依頼することで、利益確保やトラブルの回避が実現され、万が一契約が履行されないといったトラブルになった場合においても早期解決を実現することができます。
それでは、詳しくメリットをご説明したいと思います。
契約書を作成する場合、書式集等を利用する場合、契約書の内容は、貴社専用の内容にはなっておりませんので、当事者の力関係が反映されていないケースや、不利になってしまうケースも少なくありません。
また、貴社がその取引において譲れない部分、譲るべきではない部分についての利益を守るとともに、他方で相手方の利益にも配慮し、バランスの取れた、双方が受け入れやすい内容とすることも大切です。
取引の相手方に顧問弁護士がいない場合、貴社にとって一方的に有利な契約書を提示しても相手方は署名するかもしれません。
しかし、度が過ぎる不公平な契約書は、いざトラブルになった際に無効主張がなされる可能性があり、紛争のスムーズな解決のために作成した契約書が、かえって紛争の種になってしまうこともあります。
また、取引の相手方に顧問弁護士がいる場合は、そのような契約書に相手方が署名することはあり得ませんし、貴社の企業としての姿勢に不信感を持たれる可能性もあります。
弁護士が契約書の作成を行う場合、当事者の関係も考慮に入れて契約書を作成できるので、より実態に沿った契約書を作成できます。
また、実態に合った契約書ですので、特殊事情の反映・適切な修正が行われており、結果として、将来のトラブルを回避することが可能です。
万が一トラブルに発展してしまった場合、
1 内容証明郵便で請求する
2 必要に応じて民事保全手続をとる
3 通常訴訟を申し立てる
4 強制執行する
5 契約を解除する
6 相手方に損害賠償を請求する
という流れで早期解決に向けて弁護士が行動致します。
内容証明の場合には、弁護士名義の方が、本気度が伝わり、相手への圧力を強めることができます。また、訴訟、強制執行、契約解除、損害賠償請求においても弁護士でなければ、行うことが難しい部分もあり、早期かつ貴社にとって有利な解決のためには、弁護士をご活用下さい。
契約書問題で玉藻総合法律事務所が選ばれる理由
1 豊富な実績
当事務所は、企業法務に注力する総合法律事務所として、幅広い業種の顧問弁護士を務めており、各業種における、様々な種類の契約書の作成、審査を手掛けております。
2 迅速な対応
当事務所では、スピード感を持った迅速な対応を心がけており、お急ぎの案件については、原則として1営業日以内での対応を行っております。急ぎの契約書チェックなどもお任せください。
3 複数弁護士による対応
当事務所には3名の弁護士が所属しておりますので、迅速かつ幅広い対応が可能です。
4 メール、チャットでの対応
当事務所の顧問先には、ご来所いただくことなく、メールおよびチャットにて、随時、契約書の作成、チェックをご依頼いただけます。
契約書チェック・作成費用の目安
契約書のチェック、作成費用の目安です。
実際の費用については、ご相談時にご説明いたします。
下記分量を超えるもの、非定型で特に複雑なものについては、別途お見積もりをさせていただきます。
(スポットでのご依頼の場合)
契約書のチェック | 契約書の作成 | |
A4・2枚または条文数10程度 | 5万5000円(税込) | 11万円(税込) |
A4・3枚または条文数20程度 | 11万円(税込) | 22万円(税込) |
A4・5枚または条文数30程度 | 16万5000円(税込) | 33万円(税込) |
(顧問契約を併せてご契約いただく場合)
スタンダードプラン(月額顧問料5万5000円(税込))をご契約いただいている場合。
契約書のチェック | 契約書の作成 | |
A4・2枚または条文数10程度 | 無料 | 無料 |
A4・3枚または条文数20程度 | 無料 | 11万円(税込) |
A4・5枚または条文数30程度 | 無料 | 22万円(税込) |
契約書チェックの流れ
- 取引先から提示された契約書、貴社において現在使用中の契約書をご提供いただき、ご要望、ご不安な点などをヒアリングします。可能であれば、加筆修正が可能なワード等のデータをご提供ください。
- 原則として3日~1週間程度で、簡易な修正で足りる場合には修正した契約書を納品いたします。
修正箇所が多数に上る場合や抜本的な見直しが必要な場合は、問題点を列挙したレポートを納品いたしますので、取引先から提示された契約書である場合は、そのレポートを取引先に提示して修正の交渉を行うことができます。
特にお急ぎの場合は、即日または翌日納品対応が可能な場合もありますのでご相談ください。
契約書作成の流れ
- 取引の内容、ご要望、ご不安な点などをヒアリングします。
- 必要に応じて、素案を作成したうえで、詳細についてのお打合せを実施します。
- 原則として3日~1週間程度で、契約書を納品いたします。
特にお急ぎの場合は、即日または翌日納品対応が可能な場合もありますのでご相談ください。
取り扱い契約書の一例
売買契約書
金銭消費貸借契約書
賃貸借契約書
債権譲渡契約書
雇用契約書
退職時の競業避止契約書
労働者派遣契約書
請負契約書
業務委託契約書
フランチャイズ契約書
商標の使用に関する契約書
業務提携契約書
秘密保持契約書
当事務所は、あらゆる契約について、気軽に、迅速に相談することができ、その他の法律問題にも対応できる体制を築くことが、企業にとってもっとも望ましいと考えます。
そして、経営者や従業員の皆様には、ぜひ、安心して本業に集中していただきたく、企業のお客様には、顧問契約をお勧めしています。
もっとも、まずは目前の契約についてチェックを依頼したい、何度か依頼をしてから検討したいというニーズにも喜んで対応させていただきます。
ぜひ、お気軽にご連絡ください。

藤本 尊載

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